マグロが黒くなるのはなぜ?変色した原因や食べられるかの見分け方を解説
スーパーで購入したマグロを冷蔵庫に入れておいたら、「赤かったマグロが黒くなっている」と驚いた経験がある方もいるのではないでしょうか。
マグロは鮮やかな赤色というイメージがありますが、保存中に赤黒い色や茶色っぽい色へ変化することがあります。
マグロが黒くなる主な原因の一つが、マグロの色に関係する色素「ミオグロビン」の変化です。そのため、色が変わっただけで必ずしも腐っているとは限りません。
一方、変色に加えて異臭やぬめりなどがある場合は、品質が劣化している可能性があるため注意が必要です。
本記事では、マグロが黒くなる原因や変色したマグロを食べられるか判断するポイント、黒くなるのを防ぐ保存方法について詳しく解説します。
目次
マグロが黒くなるのはなぜ?
マグロが黒っぽくなる原因には、マグロの身に含まれる色素が関係しています。
マグロの赤身には「ミオグロビン」という色素たんぱく質が多く含まれています。
ミオグロビンは酸素との結びつき方や酸化の状態などによって色が変化します。そのため、時間の経過や保存環境によって、マグロの身が赤色から褐色・赤黒い色へ変わっていくことがあります。
つまり、マグロが黒くなったからといって、ただちに腐っているとは限りません。
ただし、変色は鮮度や品質の変化と同時に進むこともあります。
食べられるかどうかを判断するときは、色だけを見るのではなく、保存期間やにおい、表面の状態なども確認することが重要です。
マグロの色が変わる仕組み
マグロの変色について理解するためには、「ミオグロビン」という成分を知っておくとわかりやすくなります。
マグロの赤色はミオグロビンによるもの
マグロの赤身が赤く見える大きな理由がミオグロビンです。
ミオグロビンは筋肉中に存在し、酸素を保持する役割を持つ色素たんぱく質です。
マグロは長時間泳ぎ続ける魚であり、筋肉に多くの酸素を必要とします。そのため、赤身にはミオグロビンが豊富に含まれています。
酸素に触れると鮮やかな赤色になる
切った直後などのマグロは、やや暗い赤色に見える場合があります。
その後、適度に酸素と触れることでミオグロビンの状態が変化し、鮮やかな赤色に見えるようになります。
スーパーなどで販売されているマグロの刺身に鮮やかな赤色のイメージがあるのは、この色素の働きが関係しています。
酸化が進むと褐色になる
さらに時間が経過して酸化が進むと、ミオグロビンは「メトミオグロビン」と呼ばれる状態へ変化します。
すると、鮮やかな赤色だったマグロが茶色や褐色、赤黒い色に見えるようになります。
この現象は一般に「褐変」と呼ばれます。
黒くなったマグロは食べられる?
マグロが黒くなったときに最も気になるのが、「食べても大丈夫なのか」という点でしょう。
変色しているだけであれば、必ずしも食べられないとは限りません。
酸化による褐変は、マグロの色素が化学的に変化した結果だからです。
しかし、家庭では色の変化だけから安全性を正確に判断することはできません。
購入してから長時間経過している場合や、適切な温度で保存されていなかった場合には、微生物の増殖などによって品質が低下している可能性があります。
そのため、黒くなったマグロを食べられるか判断する際には、次のような点を総合的に確認しましょう。
- 消費期限を過ぎていないか
- 適切な温度で保存していたか
- 不快なにおいがしないか
- 表面に強いぬめりがないか
- 身が崩れるなど明らかな異常がないか
少しでも異常を感じる場合は、無理に食べないことが重要です。
マグロが黒くても腐っているとは限らない
「黒い=腐っている」と考えてしまいがちですが、マグロの場合は必ずしもそうではありません。
マグロはミオグロビンの酸化によって、鮮度とは別に見た目の色が変化することがあります。
例えば、同じパックに入っている刺身でも、マグロ同士が重なっている部分だけ色が違って見える場合があります。
空気への触れ方や温度など、保存環境によって色の変化に差が生じるためです。
ただし、「酸化による変色だから絶対に安全」と判断することもできません。
時間が経過すれば、変色と同時に鮮度も低下していきます。
食べる際は必ず商品の消費期限や保存状態を確認しましょう。
腐ったマグロを見分けるポイント
マグロが黒くなっている場合、色だけではなくほかの変化も確認することが重要です。
ここでは、品質が大きく低下している可能性を判断する際のポイントを紹介します。
不快なにおいがする
まず確認したいのがにおいです。
通常とは明らかに異なる強い生臭さや酸っぱいにおい、アンモニアのような刺激臭など、不快な異臭を感じる場合は食べるのを避けましょう。
「加熱すれば大丈夫」と自己判断することもおすすめできません。
表面に強いぬめりがある
マグロの表面を確認した際、購入時にはなかった強いぬめりやベタつきが発生している場合も注意が必要です。
特に異臭などほかの異常も同時に見られる場合は、食べないようにしましょう。
身の状態がおかしい
マグロの身が極端にやわらかくなって崩れているなど、購入時と比べて明らかな変化がある場合も品質が低下している可能性があります。
ただし、マグロの種類や部位、冷凍・解凍状態によっても食感は変わります。
色、におい、保存期間など複数の要素を確認してください。
消費期限を過ぎている
刺身用のマグロには消費期限が設定されていることがあります。
見た目やにおいに問題がないように感じても、消費期限を過ぎている場合は食べることを避けましょう。
賞味期限が「おいしく食べられる期限」であるのに対し、消費期限は安全に食べられる期限の目安です。
特に生魚は傷みやすいため、期限表示を守ることが大切です。
マグロの一部分だけ黒くなるのはなぜ?
マグロ全体ではなく、一部分だけ黒くなっていることがあります。
原因の一つとして考えられるのが、酸素への触れ方の違いです。
例えば、刺身同士が重なっている部分やパックに密着している部分などでは、表面とは酸素に触れる条件が異なります。
そのため、同じマグロでも部分的に色が違って見えることがあります。
また、マグロの部位や血合いなどによっても、もともとの色には違いがあります。
部分的に色が濃いという理由だけで腐敗と判断するのではなく、においやぬめり、保存状態なども確認しましょう。
マグロの血合いが黒いのは大丈夫?
マグロには「血合い」と呼ばれる色の濃い部分があります。
血合いは通常の赤身よりも濃い赤色や赤黒い色をしているため、初めて見ると「傷んでいるのでは?」と思うかもしれません。
しかし、血合いはもともと色の濃い部位です。
血合いには血管や色素が多く、赤身とは見た目や風味が異なります。
鮮度の良い血合いは食用として利用でき、竜田揚げや煮付け、ステーキなど加熱料理にも活用できます。
ただし、血合いも時間の経過とともに品質が低下するため、保存状態や消費期限を確認することはほかの部位と同様に重要です。
冷蔵庫に入れたマグロが黒くなる理由
マグロを冷蔵庫で保存していても、時間の経過とともに黒っぽくなることがあります。
冷蔵庫は食品の品質変化を遅らせることはできますが、完全に止めることはできません。
保存中にもマグロの酸化は徐々に進みます。
特にパックを開封した後は保存環境が変化するため、購入したときと同じ鮮やかな赤色がずっと維持されるわけではありません。
刺身用のマグロは「色が変わる前に食べる」のではなく、基本的には商品の消費期限内で、できるだけ早く食べることをおすすめします。
冷凍マグロが黒くなる原因
冷凍したマグロでも変色する場合があります。
家庭用冷凍庫では、食品の温度が業務用の超低温冷凍設備ほど低くないため、長期間保存すると品質が徐々に変化します。
また、包装が不十分で空気に触れやすい状態になっていると、乾燥や酸化による品質低下が進みやすくなります。
いわゆる「冷凍焼け」が起こると、色だけでなく食感や風味も悪くなることがあります。
マグロを家庭で冷凍する場合は、長期間保存することを前提とせず、できるだけ早めに食べることが大切です。
解凍したマグロが黒くなるのはなぜ?
冷凍マグロを解凍した際にも、赤黒く変色することがあります。
解凍時には温度が上昇し、マグロの品質変化が進みやすくなります。
特に常温で長時間放置するなど不適切な解凍方法では、変色だけでなくドリップが増え、食感や風味も損なわれる可能性があります。
冷凍マグロは商品の表示に記載された方法に従って解凍しましょう。
解凍後は長時間放置せず、できるだけ早く食べることが重要です。
マグロが黒くなるのを防ぐ保存方法
マグロの変色を完全に防ぐことは難しいものの、適切に保存することで品質の低下を抑えやすくなります。
購入後はすぐに冷蔵庫へ入れる
刺身用のマグロを購入したら、できるだけ早く冷蔵庫に入れましょう。
買い物から帰宅するまで時間がかかる場合は、保冷バッグや保冷剤などを活用する方法もあります。特に気温が高い時期は温度管理に注意が必要です。
ドリップを取り除く
パック内に赤い液体が出ている場合があります。
これは一般的に「ドリップ」と呼ばれるもので、マグロから出た水分などです。保存する場合は清潔なキッチンペーパーなどで表面の余分な水分をやさしく取り除きましょう。
空気に触れにくい状態で保存する
マグロを保存する際は、ラップなどで包み、空気に触れる面積を減らします。
さらに密閉容器や保存袋などに入れると、乾燥やほかの食品からのにおい移りも防ぎやすくなります。
ただし、密閉すれば長期間保存できるという意味ではありません。生食用のマグロは消費期限を確認し、できるだけ早く食べましょう。
冷蔵庫の低温部分を利用する
冷蔵庫にチルド室などの低温保存スペースがある場合は、商品の保存条件を確認したうえで活用できます。
冷蔵庫のドアポケットなどは開閉によって温度が変化しやすいため、生魚の保存には適していません。
黒くなったマグロを赤く戻すことはできる?
一度酸化が進んで褐色になったマグロを、家庭で新鮮な状態に完全に戻すことはできません。
インターネット上では、マグロの色を鮮やかに見せるためのさまざまな方法が紹介されていることがあります。
しかし、見た目の色が変わったとしても鮮度や安全性が回復するわけではありません。
特に古くなったマグロを「赤くなったから新鮮になった」と判断するのは危険です。見た目を戻すことよりも、購入後の温度管理を徹底し、新鮮なうちに食べることを優先しましょう。
マグロが黒くなることに関するよくある質問
マグロが黒くなったら腐っている?
黒くなっただけで腐っているとは限りません。マグロに含まれるミオグロビンが酸化すると、褐色や赤黒い色へ変化することがあります。ただし、変色に加えて異臭や強いぬめりなどがある場合は食べるのを避けましょう。
マグロが茶色になっても食べられる?
酸化による褐変だけであれば、茶色になったことだけを理由に食べられないとは限りません。
ただし、色だけでは安全性を判断できません。消費期限や保存状態、におい、表面の状態などを総合的に確認し、少しでも異常を感じた場合は食べないようにしてください。
マグロは何色になったら危険?
「この色になったら必ず危険」という基準だけで判断することはできません。
マグロは酸化によって赤色から茶色、赤黒い色へ変化するためです。安全性を判断するときは色だけでなく、消費期限、保存温度、異臭、ぬめりなどを確認してください。
マグロを翌日まで冷蔵庫に入れると黒くなる?
冷蔵保存していても、酸化によって色が変化する可能性があります。
翌日であれば必ず安全というわけでも、黒くなったら必ず食べられないというわけでもありません。
商品の消費期限と保存方法を確認して判断しましょう。
マグロが黒くならないようにするには?
購入後の温度管理を徹底し、余分なドリップを取り除いたうえで空気に触れにくい状態にして冷蔵保存しましょう。
ただし、家庭で変色を完全に防ぐことは難しいため、生食用のマグロはできるだけ早く食べることが基本です。
まとめ
マグロが黒くなる主な原因の一つは、赤身に含まれるミオグロビンの酸化です。
ミオグロビンの酸化が進んでメトミオグロビンが増えると、鮮やかな赤色だったマグロが茶色や褐色、赤黒い色に見えるようになります。
そのため、マグロが黒くなっただけで「腐っている」と判断することはできません。
一方、変色だけでなく、不快な異臭や強いぬめり、身の異常などが見られる場合は品質が大きく低下している可能性があります。
マグロを安全においしく楽しむためには、色だけで鮮度を判断せず、消費期限や保存状態も確認することが大切です。
購入後は速やかに冷蔵し、余分な水分を取り除いて空気に触れにくい状態で保存しましょう。そして、刺身など生で食べるマグロはできるだけ新鮮なうちに楽しむことをおすすめします。
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