マグロは寝ないって本当?泳ぎながら休む理由や睡眠の仕組みを解説
「マグロは寝ない魚」と聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
マグロは基本的に泳ぎ続けながら生活する魚で、呼吸のためにも継続して泳ぐことが重要です。そのため、人間のように横になったり、海底でじっと動かずに眠ったりする姿はほとんど見られません。
では、本当にマグロは一生寝ないのでしょうか。
結論からいうと、マグロがまったく休息しないわけではないと考えられています。人間のように完全に活動を止めて眠るのではなく、泳ぎながら活動レベルを下げ、休息するような状態を取ると考えられています。
本記事では、マグロは本当に寝ないのかをはじめ、泳ぎながら休む理由、止まれない理由、呼吸の仕組み、魚の睡眠についてわかりやすく解説します。
目次
マグロは本当に寝ないの?
マグロは「寝ない魚」と表現されることがありますが、厳密には「まったく休息しない魚」という意味ではありません。
人間の睡眠は、横になって目を閉じ、長時間身体の動きを少なくするのが一般的です。
しかし、魚の休息方法は種類によって大きく異なります。
岩陰に隠れてじっとする魚や、海底で身体を休める魚もいれば、泳ぎながら休息する魚もいます。
マグロは後者に近く、泳ぎを完全に止めるのではなく、活動量を落としながら休むと考えられています。
つまり、「マグロは寝ない」というよりも、人間とはまったく違う方法で休息する魚と考えるのが適切です。
マグロが寝ないように見える理由
マグロが寝ないように見える最大の理由は、常に泳ぎ続けているからです。
水族館などでマグロを見ると、昼夜を問わず水槽の中を泳いでいる姿が観察できます。
ほかの魚のように岩陰でじっとしたり、海底で動きを止めたりする姿がほとんど見られません。
そのため、
「マグロは寝ない」
「マグロは一生泳ぎ続ける」
といったイメージが広まっています。
しかし、動いていることと、休息していないことは同じではありません。
マグロは泳ぎを続けながらも、速度や活動レベルを落とすことで休息できると考えられています。
マグロが泳ぎ続ける理由は呼吸にある
マグロが泳ぎを止めにくい大きな理由は、呼吸の仕組みにあります。
魚は人間のように肺ではなく、エラを使って水中の酸素を取り込みます。
マグロは前方へ泳ぐことで口から海水を取り込み、その海水をエラへ流します。
エラを水が通過するときに、水中に溶けている酸素を血液へ取り込みます。
このように、前進することで海水をエラへ送り込む方法は「ラム換水」や「ラム・ベンチレーション」と呼ばれます。
マグロにとって泳ぐことは、単なる移動ではありません。
呼吸するためにも重要な行動なのです。
マグロは止まると死ぬって本当?
「マグロは止まると死ぬ」とよくいわれます。
これは完全な間違いではありませんが、「一瞬でも止まったらすぐに死ぬ」という意味ではありません。
マグロは泳ぐことでエラへ海水を流すことに強く依存しています。
そのため、長時間泳げない状態が続き、エラへ十分な海水を送り込めなくなると、酸素を取り込むことが難しくなります。
つまり、
「泳ぐのをやめる=すぐ死亡」
という単純な仕組みではなく、
「長時間十分に泳げない=呼吸に必要な酸素を確保しにくくなる」
と考えると理解しやすいでしょう。
マグロは泳ぎ続ける生活に高度に適応した魚なのです。
マグロは寝ながら泳いでいるの?
マグロは、人間のように意識を完全に失った状態で泳いでいると断定できるわけではありません。
魚の睡眠は人間とは異なり、外部から判断するのが難しい面があります。
一般的に魚では、
・活動量が低下する
・刺激への反応が鈍くなる
・一定の時間帯に休息行動を取る
といった状態が、睡眠や休息に近いものとして考えられています。
マグロの場合は、呼吸のために泳ぐ必要があるため、完全に停止するのではなく、泳ぎながら活動レベルを下げて休息すると考えられています。
「寝ながら泳ぐ」という表現はイメージしやすいですが、正確には「泳ぎ続けながら休息状態になる」と考えるのがよいでしょう。
マグロは目を閉じて寝る?
マグロは人間のように目を閉じて眠るわけではありません。
魚類の多くには、人間のようなまぶたがありません。
そのため、休息している状態でも目を開けているように見えます。
これはマグロだけに限った特徴ではなく、多くの魚に共通しています。
「目が開いているから寝ていない」という判断は、魚には当てはまりません。
魚の睡眠や休息を判断する場合には、目ではなく行動量や反応などを見る必要があります。
マグロはいつ休んでいる?
野生のマグロが具体的に何時から何時まで休んでいるのかを一律に示すことは難しいです。
マグロの行動は、
・種類
・生息海域
・餌の状況
・水温
・昼夜
・回遊状況
などによって変化します。
人間のように毎日決まった時間に8時間眠るという生活ではありません。
活動が少なくなる時間帯に泳ぐ速度を落とし、休息状態になると考えられています。
また、種類によって行動パターンが異なるため、「すべてのマグロが同じ時間に休む」と考えることもできません。
マグロは休んでいる間も呼吸できる?
マグロは休息状態でも泳ぎを完全には停止せず、エラへ海水を送り続けます。
そのため、活動レベルを落としながらも呼吸を続けることができます。
激しく餌を追いかけているときと比べれば、必要なエネルギーや酸素量も変化します。
休息時にはよりゆっくり泳ぐことで、呼吸を維持しながら身体を休められると考えられます。
泳ぐことと休息することを両立できるのは、マグロの生態ならではの特徴です。
なぜマグロは泳ぎながら休めるの?
マグロは生涯の大部分を泳ぎながら過ごすため、その身体は長時間の遊泳に適応しています。
身体は水の抵抗を受けにくい流線型になっており、少ないエネルギーで効率よく前進できます。
さらに、強力な尾びれや発達した筋肉を持っています。
高速で泳ぐときには多くのエネルギーを消費しますが、常に全速力で泳いでいるわけではありません。
通常時には比較的効率的な速度で移動し、必要に応じて速度を上げます。
休息時には泳ぐ速度や活動量を下げることで、身体への負担を抑えながら移動を続けることが可能だと考えられます。
マグロはずっと全速力で泳いでいるわけではない
「マグロは泳ぎ続ける」と聞くと、一日中高速で泳ぎ回っている姿を想像するかもしれません。
しかし、実際には常に全速力というわけではありません。
餌を追うときや外敵から逃げるときなどには速度を上げますが、通常の移動ではよりエネルギー効率の良い速度で泳ぎます。
人間で例えるなら、一日中全力疾走するのではなく、歩いたりジョギングしたりしながら、必要なときだけ走るようなイメージです。
こうした泳ぎ方をすることで、広大な海を長距離移動することができます。
マグロが泳ぎ続けられる身体の仕組み
マグロの身体には、長時間泳ぎ続けるためのさまざまな特徴があります。
まず、身体は紡錘形で、水の抵抗を受けにくくなっています。
尾びれも高速遊泳に適した形をしており、効率よく推進力を生み出します。
また、マグロの赤身には「ミオグロビン」という色素たんぱく質が多く含まれています。
ミオグロビンには筋肉内に酸素を保持する働きがあります。
長時間活発に泳ぐマグロにとって、筋肉へ効率よく酸素を供給・利用する仕組みは非常に重要です。
普段食べているマグロの赤身が濃い赤色をしているのも、泳ぎ続ける生態と深く関係しています。
マグロ以外の魚はどうやって寝る?
魚の休息方法は種類によってさまざまです。
たとえば、岩陰やサンゴの隙間に入り、ほとんど動かずに休む魚もいます。
海底や砂の上でじっとする魚もいます。
なかには身体を保護するための粘液を出して休む種類も知られています。
このように、魚だからすべてマグロのように泳ぎ続けるわけではありません。
魚の生活環境や呼吸方法、天敵などに応じて、それぞれ異なる休息方法へ適応しています。
サメもマグロのように寝ない?
サメについても、「泳ぎ続けないと死ぬ」「寝ない」といわれることがあります。
しかし、すべてのサメがマグロと同じ仕組みというわけではありません。
一部のサメは、泳ぐことで口から海水を取り込み、エラへ水を流すラム換水を利用しています。
一方で、海底などでじっとしながら口や咽頭部分を動かし、エラへ水を送ることができる種類もいます。
そのため、「サメはすべて止まると死ぬ」という理解も正確ではありません。
マグロと同様に、それぞれの魚種の呼吸方法を知ることが重要です。
カツオも泳ぎ続ける?
カツオもマグロと同じサバ科に属し、高い遊泳能力を持つ回遊魚です。
カツオも泳ぐことで海水をエラへ送り込む呼吸方法を利用しています。
身体もマグロに似た流線型で、長距離を回遊します。
そのため、マグロと同様に泳ぎ続ける生活に適応している魚のひとつです。
ただし、生息域や成長サイズ、行動パターンなどには違いがあります。
水族館のマグロも寝ないの?
水族館の大型水槽でも、マグロは水槽内を泳ぎ続けています。
夜になって照明が暗くなっても、完全に水槽の底へ沈んで動きを止めるわけではありません。
活動量や泳ぐ速度を下げながら泳ぎ続ける姿が見られることがあります。
また、マグロを飼育する水槽は、魚が長時間泳ぎ続けられるように広いスペースが確保されています。
水槽の壁へ衝突しないよう、形状や水流などにも工夫が必要です。
マグロの飼育が難しい理由のひとつには、こうした特殊な生態があります。
養殖マグロも泳ぎ続ける?
養殖されているマグロも、天然マグロと同じように泳ぎ続けます。
養殖だからといって、泳がなくても生きられるようになるわけではありません。
そのため、マグロ養殖では十分に泳げる大型のいけすが必要です。
マグロが壁や網へ衝突しないよう、いけすの大きさや形状なども重要になります。
また、マグロは大型になるため、成長するにつれてより広い空間が必要になります。
マグロは一生寝ないの?
「一生寝ない」という表現は適切ではありません。
マグロにも身体を休める必要があると考えられています。
ただし、その休息方法が人間とは大きく異なります。
マグロは泳ぎを完全に止めて長時間眠るのではなく、泳ぎながら活動量を落として休息すると考えられます。
つまり、
「マグロは寝ない」
ではなく、
「マグロは止まって眠るのではなく、泳ぎながら休息する」
と考えると、より実際の生態に近いでしょう。
マグロが寝ないことに関するよくある質問
マグロは本当に寝ない?
まったく休息しないわけではないと考えられています。
人間のように横になって眠るのではなく、泳ぎ続けながら活動レベルを下げ、休息状態になると考えられます。
マグロは寝ている間も泳ぐ?
マグロは呼吸のためにも泳ぐ必要があるため、休息中も泳ぎ続けると考えられています。
ただし、通常時より泳ぐ速度や活動量を下げることがあります。
マグロは目を開けたまま寝る?
マグロには人間のようなまぶたがないため、休息中でも目を開けているように見えます。
目が開いていることだけで「寝ていない」と判断することはできません。
マグロはなぜ止まれないの?
泳ぐことで口から海水を取り込み、その海水をエラへ流して酸素を得る呼吸方法に強く依存しているためです。
長時間泳げない状態が続くと、十分な酸素を取り込むことが難しくなります。
マグロは止まったらすぐ死ぬ?
一瞬止まっただけで即座に死ぬという意味ではありません。
ただし、長時間十分に泳げず、エラへ海水を送れない状態が続くと呼吸に支障が出る可能性があります。
マグロは何時間寝る?
人間のように「1日○時間眠る」という明確な基準で示すことは難しいです。
マグロの休息行動は種類や環境などによって異なり、泳ぎながら活動レベルを下げると考えられています。
まとめ~マグロは寝ないのではなく泳ぎながら休息する~
マグロは「寝ない魚」といわれることがありますが、まったく休息しないわけではありません。
前進することで口から海水を取り込み、その水をエラへ通して酸素を取り込む「ラム換水」を利用しているためです。
そのため、「マグロは止まると死ぬ」と表現されることがありますが、一瞬でも止まれば即死するという意味ではありません。長時間泳げないことで、十分な呼吸ができなくなることが問題です。
「マグロは寝ない」というより、「マグロは人間とはまったく違う方法で、泳ぎながら休む魚」と理解するとよいでしょう。
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