マグロの漁獲量はどれくらい?日本・世界の漁獲量や推移、資源管理について解説

まぐろ

マグロは、刺身や寿司、海鮮丼、ツナ缶など、日本の食卓に欠かせない魚のひとつです。

普段から身近に食べられている一方で、「日本では年間どのくらいのマグロが獲れている?」「世界でマグロの漁獲量が多い国は?」「マグロは獲りすぎで減っている?」など、漁獲量について疑問を持っている方もいるのではないでしょうか。

マグロといっても、クロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガなど複数の種類が存在します。また、世界中の海を回遊する魚であることから、一つの国だけではなく国際的な枠組みで資源管理が行われています。

本記事では、マグロの漁獲量について、日本と世界の状況や種類による違い、漁獲量と資源量の関係、マグロを守るための資源管理までわかりやすく解説します。

世界のマグロ漁獲量はどれくらい?

世界では毎年、大量のマグロ類が漁獲されています。

国連食糧農業機関(FAO)が2026年に公表した「世界漁業・養殖業白書(SOFIA 2026)」によると、2024年の世界のマグロ類の漁獲量は過去最高となる約930万トンに達しました。

ただし、統計上の「tuna」の対象範囲によって数値が異なる場合があるため、マグロの漁獲量を比較する場合は、どの魚種が集計対象になっているのかを確認することが重要です。

マグロ類は太平洋、大西洋、インド洋など世界中の海域で漁獲されており、国際的にも重要な水産資源となっています。

マグロの漁獲量が多い種類は?

一口にマグロといっても、世界にはさまざまな種類が存在します。食用として漁獲される代表的なマグロは以下の通りです。

種類主な特徴
カツオ世界的に漁獲量が多く、缶詰などにも利用される
キハダ熱帯・亜熱帯海域に広く分布する
メバチ刺身や寿司などで利用される
ビンナガツナ缶の原料としても広く利用される
クロマグロ本マグロとも呼ばれる高級魚
ミナミマグロ南半球に分布する高級マグロ

世界全体で見ると、カツオやキハダなどの漁獲量が大きくなっています。

一方、日本の寿司店などで高級魚として扱われるクロマグロは、カツオやキハダなどと比較すると漁獲量が限られています。

そのため「マグロの漁獲量」と一括りにするのではなく、魚種ごとの違いを見ることが重要です。

日本のマグロ漁獲量はどれくらい?

日本でもマグロ類は重要な漁業資源です。

農林水産省では「漁業・養殖業生産統計」などを通じて、国内の漁業生産量を公表しています。2024年(令和6年)の日本の海面漁業全体の漁獲量は約278万7,100トンでした。

これはマグロだけではなく、イワシやサバ、カツオ、スケトウダラ、ホタテなどを含めた海面漁業全体の数字です。

マグロ類については魚種や漁業種類などによって漁獲状況が異なるため、最新の漁獲量を確認する際には農林水産省の「海面漁業生産統計調査」などを確認するとよいでしょう。

また、日本で消費されているマグロがすべて日本国内で漁獲されたものというわけではありません。

海外から輸入されたマグロも多く流通しているため、「日本で食べられている量」と「日本の漁業者による漁獲量」は別の数字として考える必要があります。

日本ではどこでマグロが獲れる?

日本周辺でもさまざまな地域でマグロが漁獲されています。

特にマグロ漁業との関係が深い地域として知られているのが、青森県や宮城県、静岡県、和歌山県、高知県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県などです。

ただし、「マグロの漁獲量が多い都道府県」と「マグロの水揚げ量が多い港」は必ずしも同じ意味ではありません。

漁獲量は魚を獲った量を示すのに対し、水揚げ量は漁獲した魚を港へ陸揚げした量を意味します。

遠洋漁業の場合には、漁獲した場所と水揚げする港が大きく離れていることもあります。

そのため都道府県別のランキングなどを見る場合には、「漁獲量」「水揚げ量」のどちらを比較しているのか確認しましょう。

マグロの漁獲量が多い漁法は?

マグロ漁では、魚の種類や漁場などに合わせてさまざまな漁法が利用されています。

代表的なのが「はえ縄漁」と「まき網漁」です。

はえ縄漁

はえ縄漁は、長い幹縄に多数の枝縄と釣り針を取り付けてマグロを漁獲する方法です。

マグロ類を狙う代表的な漁法のひとつで、日本の遠洋マグロ漁業でも利用されています。

釣り針に餌を付けて海中に仕掛け、クロマグロやメバチ、キハダなどを漁獲します。

まき網漁

まき網漁は、魚の群れを大きな網で囲い込んで漁獲する方法です。

一度に多くの魚を漁獲できるため、世界のマグロ漁業でも重要な漁法となっています。

カツオやキハダなど群れを形成する魚の漁獲にも利用されています。

一本釣り

一本釣りは、釣り針を使って一匹ずつ魚を釣り上げる方法です。

カツオの一本釣りが特に有名ですが、マグロ類でも釣りによる漁獲が行われています。

漁法によって対象となる魚種やサイズ、漁獲効率などが異なるため、マグロの資源管理を考えるうえでも漁法は重要な要素です。

マグロの漁獲量は減っている?

「マグロは乱獲によって減っている」というイメージを持っている方もいるでしょう。

しかし、マグロの資源状況はすべての種類で同じではありません。

マグロはクロマグロ、ミナミマグロ、メバチ、キハダ、ビンナガなどに分かれており、さらに生息する海域によって資源状態が異なります。

そのため、「マグロ全体が増えている」「マグロ全体が減っている」と単純に判断することはできません。

実際、世界全体のマグロ類の漁獲量は2024年に約930万トンと過去最高を記録しています。

一方で、漁獲量が多いことが必ずしも「資源量が豊富」という意味になるわけではありません。

魚がどの程度生息しているのかを示す「資源量」と、実際に漁業によって獲られた「漁獲量」は異なる指標だからです。

マグロ資源の持続可能性を判断するには、魚種・海域ごとの資源評価を見る必要があります。

クロマグロの漁獲量は管理されている

日本で「本マグロ」として親しまれている太平洋クロマグロは、国際的な資源管理の対象となっています。

過去には資源量の減少が大きな問題となったことから、日本を含む関係国・地域によって漁獲量を管理する取り組みが進められてきました。

日本国内でも、小型魚と大型魚に分けるなどして漁獲可能量が設定されています。

たとえば2025年の太平洋クロマグロの当初配分では、大臣管理区分と都道府県の沿岸漁業について、それぞれ小型魚・大型魚の漁獲枠が設定されています。

漁業者が自由に好きなだけクロマグロを獲れるわけではなく、資源状況を考慮しながら漁獲量が管理されているのです。

なぜマグロの漁獲量を管理する必要がある?

マグロの漁獲量を管理する大きな理由は、将来にわたって持続的にマグロを利用するためです。

魚は自然のなかで繁殖する資源ですが、繁殖する量を大幅に上回って漁獲し続ければ、資源量が減少する可能性があります。

特にマグロは一つの国の沿岸だけに生息している魚ではありません。

広大な海域を回遊するため、日本だけが漁獲量を制限しても十分な資源管理ができない場合があります。

そこで重要になるのが、各海域を管轄する地域漁業管理機関などを通じた国際的な資源管理です。

科学的な資源評価などをもとに、国や地域が協力して漁獲量や漁業方法などのルールを設定しています。

マグロは世界規模で資源管理されている

マグロ類は世界中の海を回遊するため、海域ごとに国際的な資源管理が行われています。

代表的な地域漁業管理機関には、中西部太平洋まぐろ類委員会(WCPFC)、全米熱帯まぐろ類委員会(IATTC)、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)、インド洋まぐろ類委員会(IOTC)、みなみまぐろ保存委員会(CCSBT)などがあります。

それぞれ対象となる海域や魚種が異なり、加盟国・地域が協力しながら漁獲量や漁業ルールについて話し合っています。

マグロ資源を守るためには、一国だけではなく世界規模での取り組みが必要なのです。

養殖マグロも流通している

天然マグロだけでなく、現在では養殖されたマグロも市場に流通しています。

特にクロマグロでは、天然の幼魚を捕獲して生け簀で育てる「蓄養・養殖」のほか、人工的に卵から育てる完全養殖の研究・生産も進められてきました。

養殖によって安定的にマグロを供給できれば、天然資源への漁獲圧を考えるうえで一つの選択肢になります。

ただし、天然種苗を利用する養殖の場合は天然資源との関係があるほか、餌や生産コストなどさまざまな課題があります。

そのため「養殖が増えれば天然マグロを獲らなくて済む」と単純に考えるのではなく、生産方法まで含めて持続可能性を考えることが重要です。

マグロの漁獲量に関するよくある質問

世界では年間何トンのマグロが獲れる?

FAOが2026年に公表した資料によると、2024年の世界のマグロ類の漁獲量は約930万トンで、過去最高を記録しました。

ただし、統計によって「マグロ類」に含める魚種の範囲が異なる場合があるため、数字を比較する際には集計対象を確認する必要があります。

日本のマグロはどこで獲れる?

日本では青森県や宮城県、静岡県、和歌山県、高知県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県など、さまざまな地域がマグロ漁業と関係しています。

また、日本のマグロ漁船は日本近海だけではなく、遠洋でも操業しています。

マグロの漁獲量と水揚げ量は違う?

厳密には意味が異なります。

「漁獲量」は漁業によって獲った魚の量を示すのに対し、「水揚げ量」は漁獲した魚を港へ陸揚げした量を指します。

そのため、マグロの産地や都道府県別ランキングを調べる際には、どちらの数字なのか確認することが重要です。

マグロは獲りすぎると絶滅する?

過剰な漁獲が続けば、マグロの資源量が減少する可能性があります。

そのためクロマグロをはじめとしたマグロ類については、科学的な資源評価をもとに国際的な資源管理が行われています。

クロマグロは自由に獲っていい?

自由に無制限で漁獲できるわけではありません。

日本では太平洋クロマグロについて漁獲可能量が設定され、漁業者による漁獲が管理されています。また、遊漁についても採捕に関する規制があります。

まとめ~マグロの漁獲量は世界規模で管理されている~

マグロは世界各地で漁獲される重要な水産資源です。

FAOによると、2024年の世界のマグロ類の漁獲量は約930万トンに達し、過去最高となりました。

一方、「マグロ」といってもカツオやキハダ、メバチ、ビンナガ、クロマグロ、ミナミマグロなどさまざまな種類があり、それぞれ漁獲量や資源状態が異なります。

マグロの漁獲量を見るときには、単純な「多い・少ない」だけでなく、魚種別の資源量や漁獲枠、養殖の状況なども合わせて確認することが大切です。

将来もおいしいマグロを食べ続けるためには、科学的な資源評価にもとづいて適切に漁獲量を管理し、持続可能な漁業を実現していくことが求められます。

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