マグロの水抜きの目的とは?水抜きの手順も解説!

塩で余分な水分を抜く「水抜き」は、旨みを凝縮し食感を引き締める伝統テクニックです。
本記事では表面全体に塩を振り冷蔵庫で数分置く基本手順と、流水での塩落とし、キッチンペーパーでの水分除去、冷蔵保管までを詳述します。臭み軽減やドリップ対策のポイントもまとめ、刺身や漬けの完成度を高める方法を紹介します。
目次
マグロの水抜きの目的とは

マグロの水抜きは、料理において非常に重要な工程です。これから説明する目的から、マグロの水抜きをされることが多いです。一つ一つの工程について解説します。
旨みが凝縮する
マグロの水抜きは、旨みを凝縮させるための重要なプロセスです。新鮮なマグロには豊かな風味が詰まっていますが、余分な水分が残っていると、その旨みが薄れてしまいます。
塩を使って水分を抜くことで、マグロの持つ自然な甘みや旨みが引き立ち、より濃厚な味わいを楽しむことができます。水抜きの過程で塩がマグロの表面に浸透し、余分な水分を引き寄せることで、肉質が引き締まります。
この結果、刺身や漬けにした際に、より一層の美味しさを感じることができるのです。旨みが凝縮されたマグロは、食べる人にとって特別な体験を提供し、料理の完成度を高める要素となります。
食感が引き締まる
マグロの水抜きは、旨みを凝縮させるだけでなく、食感を引き締める重要なプロセスでもあります。水分が多い状態では、マグロの身は柔らかすぎてしまい、食べ応えが感じられません。
塩をまぶして余分な水分を抜くことで、身の繊維が引き締まり、しっかりとした食感が生まれます。この引き締まった食感は、刺身や漬けにした際に、口の中での噛みごたえを向上させ、より一層の満足感を与えてくれます。
また、食感が良くなることで、マグロ本来の風味が際立ち、食事全体のクオリティが向上します。水抜きは、ただの下処理ではなく、料理の完成度を高めるための大切なステップなのです。
臭みが軽減される
マグロの水抜きは、旨みや食感を引き締めるだけでなく、臭みを軽減する効果もあります。新鮮なマグロでも、時間が経つにつれて魚特有の臭いが出てくることがあります。この臭みは、魚の脂肪分や筋肉内の成分が酸化することによって生じるため、適切な処理が必要です。
水抜きの過程で塩を使うことにより、余分な水分が抜けると同時に、臭みの元となる成分も一緒に排出されます。塩がマグロの表面に浸透することで、臭みを吸収し、結果としてよりクリーンで爽やかな味わいに仕上がります。
このプロセスは、刺身や漬けにする際に特に重要で、食材の持つ本来の風味を引き立てるための基本的なステップとなります。
マグロの水抜きの手順とは

マグロの水抜きは、旨みを引き出し、食感を向上させるための重要なプロセスです。これから説明する手順をしっかり踏むことで、正しい方法でマグロの水抜きをすることができます。
塩を全体にまぶす
マグロの水抜きの第一歩は、表面全体に塩をまぶすことです。この工程は、マグロの余分な水分を引き出し、旨みを凝縮させるために非常に重要です。
塩はマグロの表面に均等に振りかけることがポイントで、特に厚みのある部分にはしっかりと塩をまぶすようにしましょう。塩の量は、マグロの大きさや好みによりますが、全体が薄く白くなる程度が目安です。
この段階で塩がマグロの表面にしっかりと吸着することで、後の水抜き効果が高まります。塩をまぶした後は、冷蔵庫での寝かせ時間を設けることで、さらに効果的に水分を抜くことができます。
冷蔵庫で数分寝かす
マグロに塩をまぶした後は、冷蔵庫で数分間寝かせることが重要です。このプロセスは、塩がマグロの表面に浸透し、余分な水分を引き出すための時間を与えます。
冷蔵庫の低温環境は、マグロの鮮度を保ちながら水抜きを行うのに最適です。数分間の間に、塩がマグロの細胞内の水分を引き寄せ、旨みを凝縮させる効果が期待できます。
また、この時間を設けることで、マグロの食感も向上します。水分が抜けることで、身が引き締まり、刺身や漬けにした際の食感がより一層楽しめるようになります。
冷蔵庫での寝かせ時間は、あまり長くしないことがポイントです。数分で十分ですが、あまり長く置くと逆に身が乾燥してしまう可能性があるため、注意が必要です。
塩を洗い流す
マグロの水抜きにおいて、塩を全体にまぶした後は、しっかりと塩を洗い流すことが重要です。塩が残っていると、味が過剰になり、食材本来の風味を損なう恐れがあります。流水を使って、マグロの表面を優しく洗い流しましょう。
この際、強くこすりすぎないように注意が必要です。マグロの身が崩れないように、軽く流すことを心がけてください。
洗い流した後は、キッチンペーパーで水分をしっかりと拭き取る準備をしましょう。これにより、次の工程である水分除去がスムーズに進み、より美味しい刺身や漬けに仕上げることができます。
水分を十分に拭き取る
マグロの水抜きにおいて、塩を洗い流した後の水分をしっかりと拭き取ることは非常に重要です。水分が残っていると、調理時に余分な水分が出てしまい、旨みが逃げてしまう原因となります。
また、刺身や漬けにした際の食感にも影響を与えるため、丁寧に行う必要があります。キッチンペーパーを使って、マグロの表面を優しく押さえるようにして水分を吸い取ります。
この時、強くこすらないように注意しましょう。表面の水分を取り除くことで、マグロの風味がより引き立ち、食感も引き締まります。水分をしっかりと拭き取ることで、調理後の仕上がりが格段に向上するため、手を抜かずに行うことが大切です。
マグロの水抜きの注意点

マグロの水抜きを行う際にはいくつかの注意点があります。これから解説する注意点を踏まえ、マグロの水抜きを正しい方法で行いましょう。
流水で洗う
マグロの水抜きにおいて、塩をまぶした後は流水でしっかりと洗い流すことが重要です。塩を振ることで余分な水分が抜け、旨みが凝縮されますが、塩分が残っていると、後の料理に影響を与える可能性があります。
流水で洗うことで、塩分を効果的に除去し、マグロ本来の味を引き出すことができます。洗う際は、冷たい水を使い、マグロの表面を優しく流すように心がけましょう。
強くこすりすぎると、身が崩れてしまうことがあるため注意が必要です。流水での洗浄は、臭みを軽減する効果もあり、より新鮮な味わいを楽しむための大切なステップです。
水分をしっかり拭き取る
マグロの水抜きにおいて、最後の仕上げとして水分をしっかりと拭き取ることは非常に重要です。水分が残っていると、調理時に余分な水分が出てしまい、旨みが逃げてしまう原因となります。
また、刺身や漬けにした際の食感にも影響を与え、仕上がりがぼやけた印象になってしまうこともあります。
キッチンペーパーを使って、マグロの表面を優しく押さえるようにして水分を吸い取ります。この時、強くこすらないように注意しましょう。
表面の繊細な部分を傷めてしまうと、見た目や食感に悪影響を及ぼす可能性があります。しっかりと水分を取り除くことで、マグロ本来の味わいを引き立てることができるのです。
調理まで時間がある時は冷蔵保存する
マグロの水抜きを行った後、調理までに時間がある場合は、冷蔵保存をすることが重要です。水抜きによって余分な水分が取り除かれたマグロは、冷蔵庫で保存することで鮮度を保ちつつ、さらに旨みを引き出すことができます。
冷蔵庫の温度は0〜5℃が理想的で、これにより細菌の繁殖を抑え、食材の劣化を防ぐことができます。保存する際は、マグロをラップでしっかり包むか、密閉容器に入れることで、他の食材の匂いが移るのを防ぎます。
また、冷蔵保存することで、マグロの食感がさらに引き締まり、刺身や漬けにした際の味わいが一層深まります。調理する際は、冷蔵庫から出した後、少し常温に戻してから使用すると、より美味しく仕上がります。
まとめ
マグロの水抜きは、旨みを引き出し、食感を向上させるための重要なプロセスです。塩を使った水抜きの手順を実践することで、臭みを軽減し、より美味しい刺身や漬けを楽しむことができます。
水抜きの基本手順をしっかりと理解し、注意点を守ることで、家庭でもプロの味に近づけるでしょう。ぜひ、今回紹介した方法を試して、マグロ料理のクオリティを高めてみてください。
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焼津港丸入商店について
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