マグロブロックの解凍方法とは?創業百年老舗まぐろ屋が伝授する失敗しないコツや注意点を解説
前回は、ネギトロの解凍方法とマグロ柵の解凍方法をご紹介しましたが、今回は冷凍マグロブロックの解凍方法についてご紹介していきたいと思います。老舗まぐろ屋「焼津港丸入商店」が解凍方法のコツを伝授します。
ここでいう「ブロック」とは、このような形状をしているものを指しています。
ちょうど↓↓↓の画像のような形のものを「ブロック」と呼んでます。

焼津港丸入商店では、天然のみなみまぐろのブロックは非常にお得です。柵よりも大トロ、中トロ、赤身が入っており、手頃なお値段で販売されていることが多いので、上手に溶かして、美味しく食べてもらいたいと思い、この記事を書いております。
目次
マグロブロックをおいしく食べるには解凍方法が大切

南まぐろは、南半球にある南アフリカのケープタウン沖という非常に冷たい海で獲ったものが良いものとされております。南半球ですので南にいけばいくほど冷たい海となります。
獲ったその場からマイナス60℃という、とてつもない冷たい温度で冷却されていますので、鮮度としては抜群です。そのため非常に大事になるのはやはり、溶かし方となります。
釣り上げた時から食べる直前まで一度も溶かされていないまぐろとなり、初めて溶かす作業がご家庭となりますので溶かし方は非常に大事です。
ここから、老舗まぐろ屋が溶かし方のコツを伝授します。

マグロブロックの解凍方法
準備するもの
- ボール
- キッチンペーパー(きちんとしたもの)
- 水(約3L=3000ml)
- 塩(約90g)
水に対して約3%の塩を用意します。例:3000ml × 0.03 = 90g となります。
ただ、細かく、計測しなくても大丈夫です。いつも家庭で私は、「海水くらいのしょっぱい濃度になれば大丈夫だ」くらいの気持ちで塩水を作ってます。

①塩と水を混ぜて、塩水を作ります。

温水ではなく通常のお水で大丈夫です。


②マグロのブロックを取り出して、軽く水洗いします

まぐろのブロックを取り出し、軽く水洗いします。マグロの「切り粉」と呼ばれるものが付いているためです。
③マグロのブロックを「7分~10分」ほど塩水に浸けておく

季節や大きさにもよりますが、7分~10分ほど塩水に浸けてください。マグロのブロックを手でしならせて、少し芯が残ってるくらいまで溶かします。
⑤マグロのブロックの水分をキッチンペーパーで拭きとる

塩水からだし、キッチンペーパーで水分を拭き取ってください。
この時、粗悪なキッチンペーパーで拭くとまぐろにくっついてしまう可能性があるので気をつけてください。
⑥冷蔵庫に入れて「4~5時間」かけてゆっくり溶かす

キッチンペーパーで水分をとりつつ、乾燥がおきないようにに巻きます。冷蔵庫で4時間から5時間かけてゆっくり溶かしてください。夜、まぐろを食べるのであれば、お昼ごろにこの作業を行うことをオススメします。
この時、粗悪なキッチンペーパーで巻くとまぐろにくっついて取れなくなってまいますので気を付けてください。
⑦解凍完了!しっかり溶けていればOKです
塩水とゆっくり溶かすことで、ねっとりしたマグロに仕上がり旨味が凝縮され美味しいです。おそらくドリップ(赤い水)などがでていないことに気づくと思います。
ドリップには旨味が含まれているため、ドリップが出ていると旨味が損なわれていることとなります。
マグロブロックの切り方(動画付き)
「赤身の部分(天身)」と「カワラの部分」に切り分ける
赤身の部分(天身)とカワラの部分に分けて切っていきます。みなみまぐろは、骨が入ってますのでその部分だけ取り除いてください。
「血合い」を取ります
続いて、血合いを取ります。血合いの部分は、バターソテーやにんにく醤油で食べると美味しいです。
【南まぐろのブロックの場合】骨が2本あるので取り除きます
南まぐろのブロックには骨が2本あるのでそちらを取り除きます。
スジに直角に切る
あとは切るだけです。スジに直角になるように切りつけをしてください。
皮目や骨の周りの身もスプーンですくって「最高のネギトロ」に
マグロは余すところなく食べれます。皮目についたものをスプーンですくって、ネギトロにしたら美味です。骨の周りの身もスプーンですくって、ネギトロに。最高の逸品になりますよ。
スジが強そうであれば「炙り」がおススメ
ご家庭でもスジが強そうであれば、炙りをするとスジが溶けだし美味しく食べることができます。炙る場合は、軽く(醤油・みりん)などをうっすら塗った中で炙るとさらに美味しくなります。
【おまけ】なぜマグロブロックを塩水で解凍するの?
「なぜ塩水なのか?」このことがわかってるだけでも、この作業をすべきだと理解できますので記事として書いておきます。
溶かし方の本題からは不要ですので、読み飛ばしておいて大丈夫です(笑)
ひとことでいうと、浸透圧を利用します。
浸透圧をグーグルさんのAIに聞くと以下のようにかえってきます。
“浸透圧とは、半透膜を隔てて濃度の異なる溶液が接した場合、低濃度側の溶媒(通常は水)が高濃度側の溶液に移動しようとする現象に伴う圧力のことです。簡単に言うと、水などの溶媒が濃度の低い方から高い方へ移動する力のことです。”
図で簡単にあらわすと…
【塩水 → マグロ ← 塩水】
塩水が濃くて、薄い水分を含んだマグロの方に矢印が向きますので、旨味がまぐろに閉じ込められるという理論です。この理論を元に塩水を作ってますので、分量よりも適度に濃ければ問題ないということになります。
よく溶かした方が味も旨味も濃くなり、発色も戻り赤くなります。このような状態で冷凍まぐろを楽しんでいただければ、嬉しいです。
冷凍のマグロブロックを家庭用冷凍庫でおいしく保存できる期間は「1週間」ほど
一つ注意点があります。いくら冷凍とはいえご家庭の冷凍庫の温度はマイナス18℃で、まぐろの鮮度が保たれる温度ではありません。家庭用の冷凍庫に入れたら1週間ほどが一番おいしく召し上がれる期間となりますのでご注意ください。
冷凍まぐろの解凍方法について説明させていただきました。ぜひ美味しく召し上がってくださいね。
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丸入商店からのお知らせ
焼津港丸入商店について
創業百年を迎える魚卸が目利きした「焼津みなみまぐろ」と、魚の旨味を引き出した漬け魚「焼津糀漬」の専門店。
静岡県焼津市に実店舗(焼津総本店)を構えており、地元はもちろんネットショップを通して、海の幸豊かな「焼津のおいしさ」を全国に届けております。
