マグロは体に悪い?食べすぎによる影響や水銀のリスク・適量を解説

まぐろ

寿司や刺身、海鮮丼などで人気のマグロ。一方で、「マグロは体に悪いと聞いた」「水銀が含まれているけれど食べても大丈夫?」と不安に感じる方もいるでしょう。

マグロにはたんぱく質をはじめ、DHA・EPAなどさまざまな栄養素が含まれており、マグロを食べること自体が一概に体に悪いわけではありません。

ただし、マグロなど一部の魚には食物連鎖を通じて水銀が蓄積されることがあります。特に妊娠中の方は、一部の魚について摂取量・頻度に注意する必要があります。

そこで本記事では、マグロが体に悪いといわれる理由や水銀のリスク、食べすぎによる影響、マグロに含まれる栄養素、食べる際のポイントについて解説します。

マグロは体に悪い?

結論からいうと、マグロは適切な量を食べるのであれば、一概に「体に悪い食品」とはいえません。

マグロには良質なたんぱく質をはじめ、DHAやEPAなどのn-3系脂肪酸、ビタミンやミネラルなどが含まれています。

魚は健康的な食生活を構成する食品の一つであり、マグロもその選択肢になります。

一方で、マグロについて「体に悪い」といわれる大きな理由の一つが水銀です。

自然界に存在する水銀の一部は食物連鎖を通じて魚介類に取り込まれます。マグロのように食物連鎖の上位に位置する大型魚では、水銀濃度が比較的高くなる場合があります。

マグロが体に悪いといわれる理由

マグロが体に悪いと検索される背景には、主に以下のような理由があります。

水銀が含まれていることがある

マグロを食べるうえで知っておきたいのが、水銀の問題です。

魚介類には自然界に由来する水銀が含まれていることがあり、その一部はメチル水銀として存在します。

食物連鎖によって体内に蓄積されるため、大型で寿命が長く、ほかの魚を捕食する魚ほど濃度が高くなる傾向があります。

マグロ類も種類によっては水銀濃度が比較的高くなることがあります。

ただし、これは「マグロを一切食べてはいけない」という意味ではありません。特に注意が必要なのは妊娠中の方などであり、対象となる魚の種類と摂取量を理解することが大切です。

食べすぎると栄養バランスが偏る

これはマグロだけに限った問題ではありませんが、一つの食品ばかり大量に食べ続ければ食生活全体のバランスが崩れます。

マグロが健康に良いからといって、魚料理をすべてマグロにする必要はありません。

サバやイワシ、サケ、アジなどさまざまな魚や、肉、卵、大豆製品、野菜などを組み合わせることが大切です。

魚の種類を変えることは、さまざまな栄養素を摂取することにもつながります。

トロは赤身より脂質が多い

マグロは部位によって栄養成分が大きく異なります。

赤身は比較的脂質が少なく、たんぱく質を摂取しやすい部位です。

一方、大トロや中トロなど脂がのった部位は赤身よりも脂質やエネルギー量が多くなります。

脂質そのものが悪いわけではありませんが、摂取エネルギーを調整している方などは食べる量に注意するとよいでしょう。

調理方法によって塩分などが増える

マグロそのものだけでなく、「どう食べるか」も重要です。

刺身に大量の醤油をつけたり、漬けマグロを濃いタレで味付けしたりすると、塩分摂取量が増える可能性があります。

また、マグロカツなどの揚げ物にすれば、刺身とはエネルギー量も変わります。

健康面を考える場合は、マグロそのものだけでなく調味料や調理方法も含めて考えましょう。

マグロに含まれる水銀とは?

水銀は自然界にも存在する元素です。

火山活動などの自然現象だけでなく、人間の活動によって環境中に排出されることもあります。

環境中の水銀の一部は微生物などによってメチル水銀に変化し、水生生物の体内へ取り込まれます。

小さな生物を魚が食べ、その魚をさらに大きな魚が食べるという食物連鎖を繰り返すことで、大型魚の体内ではメチル水銀の濃度が高くなる場合があります。マグロやカジキなど大型の魚について水銀が話題になるのは、この「生物濃縮」が理由の一つです。

マグロを食べると水銀中毒になる?

通常の食生活でマグロを食べたからといって、すぐに水銀中毒になるというものではありません。

魚介類には水銀が含まれる一方で、たんぱく質やDHA・EPAなどさまざまな栄養素も含まれています。

重要なのは、特定の魚を極端に大量摂取するのではなく、適切な量と頻度で食べることです。

特に妊娠中の方については、胎児への影響を考慮し、厚生労働省が一部の魚介類について摂取量の目安を示しています。

妊婦はマグロを食べないほうがいい?

妊娠中だからといって、すべてのマグロを完全に避けなければならないわけではありません。

ただし、厚生労働省は水銀濃度が比較的高い一部の魚介類について、妊婦を対象とした摂食量の目安を示しています。

代表的なマグロ類では、クロマグロ(本マグロ)やメバチマグロ、ミナミマグロなどが注意対象となります。

例えば、クロマグロやメバチマグロ、ミナミマグロについては、1回約80gとして週1回までを目安とする考え方が示されています。

一方、キハダマグロ、ビンナガマグロ、ツナ缶などは、厚生労働省の妊婦向け注意事項において通常の摂食で差し支えない魚介類として扱われています。

なお、注意対象となる魚を複数種類食べる場合は単純にそれぞれを上限まで食べてよいわけではなく、組み合わせを考える必要があります。

妊娠中の方は最新の厚生労働省の情報を確認し、不安がある場合は医師などの専門家に相談してください。

子どもはマグロを食べても大丈夫?

日本の厚生労働省が示す魚介類の水銀に関する注意事項では、特に妊婦を対象として摂食量の目安が示されています。

子どもについて過度にマグロを避ける必要はありませんが、一つの魚だけを大量に食べ続けるのではなく、さまざまな種類の魚や食品を組み合わせることが大切です。

また、小さな子どもに刺身などの生魚を食べさせる場合には、水銀とは別に食中毒などへの配慮も必要です。

年齢や体調に応じた食事について不安がある場合は、小児科医や管理栄養士などの専門家に相談しましょう。

マグロは毎日食べても大丈夫?

マグロを毎日食べることについては、魚種や量、食べる人の状況によって考え方が変わります。

特に水銀濃度が比較的高い大型のマグロを大量に毎日食べ続けることは避け、魚の種類を分散させるとよいでしょう。

例えば、

  • マグロ
  • サケ
  • サバ
  • アジ
  • イワシ
  • サンマ

など、さまざまな魚を食生活に取り入れる方法があります。

マグロを食べる頻度だけに注目するのではなく、「1週間の食生活全体で何をどれくらい食べているか」という視点を持つことが重要です。

マグロにはどんな栄養がある?

マグロは注意点だけでなく、さまざまな栄養素を含む食品です。

「水銀が心配だから魚を一切食べない」と極端に考えるのではなく、魚を食べるメリットについても理解しておきましょう。

たんぱく質

マグロにはたんぱく質が豊富に含まれています。

たんぱく質は筋肉だけでなく、皮膚や髪、臓器など体を構成するさまざまな組織に必要な栄養素です。

特にマグロの赤身は脂質が比較的少ないため、食事からたんぱく質を摂取したい方にも利用しやすい食材です。

DHA

マグロの脂にはDHA(ドコサヘキサエン酸)が含まれています。DHAは魚に多く含まれるn-3系多価不飽和脂肪酸の一つです。マグロだけでなく、サバやイワシなどの青魚にも含まれています。

EPA

EPA(エイコサペンタエン酸)も魚介類から摂取できるn-3系脂肪酸です。DHAと同様に魚の脂に含まれているため、魚を食べるメリットの一つとして知られています。

マグロの赤身には鉄も含まれています。鉄は赤血球中のヘモグロビンを構成する栄養素で、体内で酸素を運ぶために重要な役割を果たします。

ビタミン類

マグロにはビタミンB群やビタミンDなども含まれています。含有量はマグロの種類や部位によって異なるため、赤身やトロを含め、ほかの食品とバランスよく食べることが重要です。

赤身とトロではどちらが健康的?

マグロの赤身とトロでは、栄養成分に違いがあります。

赤身は高たんぱくで比較的低脂質なのが特徴です。

一方、中トロや大トロは脂質が多く、その分エネルギー量も高くなりますが、DHAやEPAなどの脂肪酸も摂取できます。

そのため、一概に「赤身は健康、トロは不健康」と考える必要はありません。ダイエットなどで摂取エネルギーを抑えたい場合は赤身を中心にするなど、自分の食生活に合わせて選びましょう。

ツナ缶は体に悪い?

マグロについて調べていると、「ツナ缶も水銀が多いのでは?」と疑問に思う方もいるでしょう。

ツナ缶には主にキハダマグロやビンナガマグロ、カツオなどが使用されています。

厚生労働省が示す妊婦向けの注意事項でも、ツナ缶は通常の摂食で差し支えないものとして扱われています。

ただし、ツナ缶には油漬けや水煮などさまざまな種類があります。

エネルギー量や食塩相当量などを確認し、自分の食事に適した商品を選ぶとよいでしょう。

マグロを健康的に食べるためのポイント

マグロを食生活に取り入れる際は、いくつかのポイントを意識しましょう。

一度に大量に食べすぎない

「健康に良い食材」であっても、大量に食べればよいわけではありません。マグロだけに偏らず、適量を楽しむことが基本です。

さまざまな魚を食べる

マグロだけではなく、サケやサバ、アジ、イワシなど複数の魚を組み合わせましょう。食材を分散することで、さまざまな栄養素を摂取できます。

醤油をつけすぎない

刺身や寿司では、マグロそのものよりも醤油から多くの塩分を摂取する場合があります。醤油は必要以上につけず、わさびや大葉などの薬味も活用するとよいでしょう。

生食する場合は鮮度管理にも注意する

刺身用として販売されているマグロは、購入後も適切な温度で保存しましょう。長時間常温に放置せず、商品の消費期限や保存方法に従って食べることが重要です。

マグロが体に悪いことに関するよくある質問

マグロを食べすぎるとどうなる?

マグロの種類によっては水銀濃度が比較的高いため、極端に大量に食べ続けることは避けたほうがよいでしょう。

また、マグロばかりを食べることで食事全体の栄養バランスが偏る可能性もあります。

さまざまな魚や食品を組み合わせることが大切です。

マグロは週に何回まで食べていい?

すべての人について「マグロは週○回まで」という一律の基準が設けられているわけではありません。

ただし、妊婦については一部のマグロ類に摂取量の目安があります。

クロマグロ、メバチマグロ、ミナミマグロなどは、厚生労働省の最新情報を確認しながら摂取量を調整してください。

マグロの水銀は加熱すればなくなる?

水銀の問題は、マグロを焼いたり煮たりすれば解決するというものではありません。

そのため、水銀が気になる場合は調理方法ではなく、魚の種類や食べる量・頻度を調整することが基本となります。

マグロの刺身は体に悪い?

適切に衛生管理された生食用のマグロを適量食べるのであれば、刺身だから一概に体に悪いわけではありません。

ただし、生ものには食中毒などのリスクがあります。消費期限や保存温度を守り、体調なども考慮して食べましょう。

本マグロは体に悪い?

本マグロ(クロマグロ)自体が「体に悪い魚」というわけではありません。

ただし、水銀濃度が比較的高い魚の一つであり、妊婦については厚生労働省が摂食量の目安を示しています。

一方で、たんぱく質やDHA・EPAなどの栄養素も含まれているため、メリットと注意点の両方を理解して食べることが大切です。

まとめ

「マグロは体に悪い」といわれる大きな理由の一つが、一部のマグロに含まれるメチル水銀です。

マグロのような大型魚では食物連鎖によって水銀が蓄積されることがあり、特に妊娠中の方はクロマグロやメバチマグロ、ミナミマグロなど一部の魚について摂取量に注意する必要があります。

しかし、マグロそのものが体に悪い食品というわけではありません。

マグロにはたんぱく質をはじめ、DHA・EPA、鉄、ビタミン類などさまざまな栄養素が含まれています。

重要なのは、特定の食品を「体に良い・悪い」と二択で考えるのではなく、食べる量や頻度、魚の種類、調理方法を考えることです。

マグロだけを大量に食べ続けるのではなく、サバやイワシ、サケ、アジなどほかの魚や、肉、野菜、大豆製品なども組み合わせ、バランスの良い食生活のなかでマグロを楽しみましょう。

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