マグロの切り方の種類とは?切る時のコツを解説!

刺身の味わいは包丁の入れ方で大きく変わります。平造りやそぎ切り、角造りなど切り方を理解すれば、同じマグロでも口当たりや風味を自在に演出できます。
本記事では部位ごとの適切な厚み、筋を避ける方向、包丁の角度など切り分けのコツを写真付きで説明し、用途別におすすめの包丁選びも解説します。
目次
マグロの切り方の種類とは

マグロの切り方には、平造り、そぎ切り、細造り、角造りなど、さまざまなスタイルがあります。それぞれの切り方は、マグロの部位や用途に応じて異なり、味わいや食感に大きな影響を与えます。
平造り
平造りは、マグロの切り方の中でも特に人気のあるスタイルで、刺身として提供する際に多く用いられます。
この切り方は、マグロの身を平らに薄くスライスすることで、食材の美しさを引き立て、口当たりを滑らかにします。平造りを行う際は、まずマグロの部位を選び、筋を避けるように包丁を入れることが重要です。
切る際の厚みは、一般的に5mm程度が理想とされていますが、好みに応じて調整可能です。包丁は、鋭利なものを使用し、切る際には一気にスライスすることがポイントです。
平造りは、マグロの新鮮さを最大限に引き出す切り方であり、刺身としての味わいを存分に楽しむことができるでしょう。
そぎ切り
そぎ切りは、マグロの身を薄くスライスする技法で、特に刺身として楽しむ際に人気のある切り方です。この方法では、包丁を斜めに入れることで、肉の繊維を断ち切り、口当たりを滑らかに仕上げることができます。
そぎ切りのポイントは、包丁の角度と切る際の力加減です。理想的には、包丁を30度程度の角度で入れ、優しく引くように切ることで、身が崩れず美しい仕上がりになります。
また、そぎ切りはマグロの脂ののり具合や部位によっても切り方が変わります。赤身の部分は薄く、トロの部分は少し厚めに切ることで、それぞれの風味を最大限に引き出すことができます。
細造り
細造りは、マグロの身を細長い形に切り分ける技法で、特に刺身や寿司に適しています。この切り方は、食材の繊維を意識しながら、薄くスライスすることがポイントです。細造りにすることで、マグロの旨味が口の中で広がり、食感も楽しむことができます。
切る際は、包丁を寝かせ気味にし、身の繊維に沿ってスライスすることが重要です。厚さは約1センチ程度が理想で、あまり厚く切ると食べ応えがありすぎてしまうため、注意が必要です。
また、切る際には包丁を引くように動かすことで、滑らかな切り口を実現できます。細造りは、見た目にも美しく仕上がるため、盛り付けの際にも映える切り方です。
角造り
角造りは、マグロの切り方の中でも特に見た目が美しく、食感を楽しむことができるスタイルです。この切り方は、マグロの身を直方体に近い形状に切り出すことで、しっかりとした食感を引き出します。
角造りの特徴は、切り口が平らで、角がはっきりしているため、盛り付けの際にも美しい印象を与えます。
角造りを行う際は、まずマグロの部位を選び、適切な厚さに切ることが重要です。一般的には、1.5cmから2cm程度の厚さが推奨されます。
包丁を入れる際は、身の筋に沿って切ることで、より滑らかな食感を楽しむことができます。また、包丁の角度は45度程度を保つと、切り口がきれいに仕上がります。
マグロを切る時のコツとは

マグロを美味しく切るためには、いくつかのコツがあります。これから解説するポイントを押さえることで、マグロの魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。
事前準備を入念に行う
マグロを切る前の事前準備は、成功するための重要なステップです。まず、作業する場所を清潔に保ち、必要な道具を整えましょう。包丁やまな板はもちろん、切り分けるための器やタオルも用意しておくとスムーズです。
次に、マグロの状態を確認します。新鮮なマグロを選ぶことが大切で、色合いや香り、触感をチェックしましょう。冷蔵庫から出したばかりのマグロは、少し室温に戻すことで切りやすくなります。また、切る前にマグロの表面を軽く拭いて、余分な水分を取り除くこともポイントです。
さらに、切り方に応じてマグロの部位を選ぶことも重要です。部位ごとに適した切り方が異なるため、どの部分を使うかを考えながら準備を進めましょう。これらの準備をしっかり行うことで、切り方のクオリティが向上し、より美味しい刺身を楽しむことができます。
包丁操作の基本を理解しておく
マグロを美味しく切るためには、包丁操作の基本をしっかりと理解しておくことが重要です。まず、包丁の持ち方ですが、刃の部分をしっかりと握り、柄の部分は軽く持つことで安定した切り方が可能になります。
また、切る際には包丁を前後に動かすのではなく、押し切るようにすることで、食材の繊維を壊さずに滑らかな断面を作ることができます。
次に、包丁の角度も大切です。マグロの切り方によって適切な角度は異なりますが、一般的には30度から45度の角度で切ると、食材の旨味を引き出すことができます。さらに、切る際には力を入れすぎず、スムーズに包丁を動かすことがポイントです。
筋の場所を把握する
マグロを切る際には、筋の位置を正確に把握することが非常に重要です。筋は肉質が硬く、食感に影響を与えるため、切り方によっては口当たりが悪くなってしまいます。特に、マグロの部位によって筋の位置や形状が異なるため、事前に確認しておくことが求められます。
まず、マグロの身を観察し、筋が走っている方向を見極めましょう。筋に沿って切ると、肉がスムーズに切れ、食べたときの食感が向上します。
逆に、筋を断ち切るように切ってしまうと、硬い部分が残り、食べにくくなります。特に、赤身部分と脂身部分では筋の位置が異なるため、それぞれの特徴を理解しておくことが大切です。
調理方法に合わせた切り方をする
マグロを切る際には、調理方法に応じた切り方を選ぶことが重要です。例えば、刺身として楽しむ場合は、平造りやそぎ切りが一般的です。
平造りは、身の厚みを均一に保ちながら、見た目も美しく仕上げることができます。一方、そぎ切りは、食感を楽しむために薄く切る方法で、口の中でとろけるような食感を引き出します。
また、マグロを焼く場合には、角造りや細造りが適しています。角造りは、しっかりとした食感を残しつつ、火の通りを均一にするために厚めに切ることがポイントです。
細造りは、マグロの旨味を引き立てるために、薄くスライスすることで、焼き上がりの香ばしさを楽しむことができます。
このように、調理方法に合わせた切り方をすることで、マグロの持つ風味や食感を最大限に引き出すことができるのです。
マグロを切るための包丁の選ぶ時の基準とは

マグロを切る際には、適切な包丁選びが重要です。これから解説するポイントを抑えて、マグロを調理する時に使う包丁を選びましょう。
包丁の種類から選ぶ
マグロを切る際には、使用する包丁の種類が非常に重要です。一般的に、マグロの切り方には専用の包丁が推奨されます。
まず、刺身包丁はその名の通り、刺身を切るために設計されており、長い刃と鋭い切れ味が特徴です。この包丁を使うことで、マグロの繊維を壊さずに滑らかに切ることができます。
また、出刃包丁もマグロの処理に適しています。特に、マグロのような大きな魚を捌く際には、厚みのある刃が力を発揮します。出刃包丁は骨を切るのにも適しているため、マグロの部位を分ける際に非常に便利です。
さらに、刺身包丁と出刃包丁の中間的な役割を果たすのが、柳刃包丁です。こちらは、刺身を美しく盛り付けるための細やかな切り方に向いています。
素材から選ぶ
マグロを切るための包丁を選ぶ際、素材は非常に重要な要素です。一般的に、包丁の素材にはステンレス鋼、炭素鋼、セラミックなどがあります。それぞれの素材には特性があり、用途に応じて選ぶことが求められます。
ステンレス鋼は耐腐食性が高く、手入れが簡単なため、家庭用として人気があります。一方、炭素鋼は切れ味が鋭く、研ぎやすいですが、錆びやすいので使用後の手入れが欠かせません。
セラミック包丁は軽量で錆びないため、扱いやすいですが、硬い食材には向かないことがあります。マグロのような脂の多い魚を切る場合、切れ味が持続する包丁が理想です。
特に、炭素鋼の包丁はその鋭さから、スムーズに切ることができ、マグロの繊維を壊さずに美しい断面を作ることができます。
重量や柄から選ぶ
包丁を選ぶ際には、その重量や柄の形状も重要なポイントです。まず、重量についてですが、軽すぎる包丁は切れ味が悪くなりがちで、逆に重すぎると扱いづらくなります。
自分の手にしっくりくる重さを選ぶことで、長時間の調理でも疲れにくくなります。一般的には、マグロのような大きな魚を切る際には、ある程度の重さがある包丁が適しています。
次に柄の形状ですが、握りやすさが切り方に大きく影響します。柄が太すぎると手が疲れやすく、細すぎると力が入れにくくなります。
また、滑りにくい素材の柄を選ぶと、手が濡れている時でも安心して使用できます。これらの要素を考慮し、自分に最適な包丁を見つけることが、マグロを美味しく切るための第一歩です。
まとめ
マグロの切り方にはさまざまな種類があり、それぞれの切り方によって味わいや食感が大きく変わります。平造りやそぎ切り、細造り、角造りといった技法を理解し、適切な厚みや筋を避ける方向を意識することで、より美味しい刺身を楽しむことができます。
また、切る際のコツや包丁の選び方も重要です。これらを踏まえ、ぜひ自宅でマグロを切る際に実践してみてください。美味しい刺身を作る楽しさを味わいながら、料理の腕を磨いていきましょう。
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